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建設業の職種別 年収ランキング|公的統計で10職種を比較

最終更新:2026年6月8日
建設業の職種別 年収ランキング|公的統計で10職種を比較のイメージ

「建設の仕事に就こうか、別の職種に移ろうか」と考えるとき、まず気になるのは「結局どの職種が稼げるのか」ではないでしょうか。求人サイトの数字は媒体ごとにバラバラで、ネットの声も「○○は高い」「いや△△のほうが」と人によって真逆です。この記事では、厚生労働省の公的統計(令和7年賃金構造基本統計調査・job tag集計で10職種そろえています)をもとに、建設業の主要10職種の平均年収を一枚の表に並べて比較します。ただし先にお伝えしたいのは——順位は水準感をつかむ目安にはなりますが、職種ごとに母集団や職種定義が異なるため、上から順に「優れた職種」と読むものではないということです。その理由と、各職種の中身まで含めて、判断材料を中立に整理します。

主要10職種の平均年収を比較する

まず全体像です。次の表は、施工管理・電気工事士・クレーンオペレーター・配管工・塗装工・重機オペレーター・大工・左官・溶接工・鳶の10職種について、公的統計をもとにした平均年収を高い順に並べたものです。

700万円 施工管理 679万 電気工事士 628万 クレーンオペ 587万 配管工 523万 塗装工 498万 重機オペ 488万 大工 486万 左官 467万 溶接工 455万 415万 ※10職種すべて令和7年賃金構造基本統計調査ベース(厚労省 job tag 集計)。ただし母集団・職種定義が異なり単純比較は不可。
建設業10職種の平均年収(公的統計ベース)。施工管理が頭一つ抜け、ほかの9職種は約410万〜630万円に分布する。橙=施工管理、金色=それ以外の9職種。10職種とも令和7年賃金構造基本統計調査(厚労省 job tag 集計)ベースだが、母集団・職種定義が異なるため単純比較はできない。
順位職種平均年収主な出典・調査年
1施工管理(建築施工管理技術者)約679万円job tag・令和7年賃金構造基本統計調査ベース
2電気工事士約628.1万円job tag・令和7年賃金構造基本統計調査ベース
3クレーンオペレーター(クレーン運転士)約586.7万円job tag・令和7年賃金構造基本統計調査ベース
4配管工約523万円job tag・令和7年賃金構造基本統計調査ベース
5塗装工(建築塗装工)約498万円job tag・令和7年賃金構造基本統計調査ベース
6重機オペレーター(建設機械オペレーター)約487.9万円job tag・令和7年賃金構造基本統計調査ベース
7大工約486万円job tag・令和7年賃金構造基本統計調査ベース
8左官約467万円job tag・令和7年賃金構造基本統計調査ベース
9溶接工約455万円job tag・令和7年賃金構造基本統計調査ベース
10鳶(とび)約414.5万円job tag・令和7年賃金構造基本統計調査ベース

参考までに、給与所得者全体の平均は約478万円(国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」)です。表の10職種の多くはこの水準前後〜上に位置しますが、これも対象となる労働者・事業所の範囲が異なるため、単純な上下比較はできません。

この順位の重要な注意点 この表は「だいたいの水準感」をつかむための目安です。次の理由から、上から順に「良い職種・悪い職種」と読むことはできません。

  • 母集団が異なる:賃金構造基本統計調査は原則として一定規模以上の事業所に雇用される労働者が対象で、一人親方・独立した自営の職人は含まれにくい統計です。独立して稼いでいる職人の収入は、この平均には十分反映されません。10職種とも参照する調査年は令和7年でそろっていますが、この母集団のずれは残ります。
  • 職種の定義が異なる:たとえば「施工管理」は建築施工管理技術者の値で、土木施工管理技術者は別区分(約625万円)です。「塗装工」も統計上の職種名は建築塗装工で、自動車板金塗装などは別区分です。

次の章から、なぜ「単純比較できない」のかをもう少し具体的に見ていきます。

なぜ単純な優劣として読めないのか

平均年収の数字は、それ単体では「同じものさしで測った結果」のように見えます。けれども建設の職種を横並びにするとき、実際にはものさしが少しずつ違っています。ここを押さえないと、せっかくの公的統計が誤解のもとになります。

本記事の10職種は、いずれも厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)が令和7年賃金構造基本統計調査をもとに集計した値で揃えています(令和7年調査は2026年3月公表)。調査年はそろいましたが、それでも次の2点で「ものさし」が異なります。

母集団(誰を数えているか)のずれ

賃金構造基本統計調査は、原則として一定規模以上の事業所に雇用される労働者を対象にした統計です。つまり、一人親方や独立した自営の職人の収入は十分には含まれにくい構造になっています。

これは年収を考えるうえで大きな意味を持ちます。たとえば大工や左官、塗装工は独立する人が比較的多い職種ですが、独立して受注を安定させている職人の収入はこの平均に反映されにくく、逆に言えば「雇われている人の平均」を見ていることになります。独立後は受注量・単価しだいで雇用時より高くなることも、経費や受注の波で下回ることもあり、平均値だけでは見えない幅があります。

職種定義のずれ

同じ呼び名でも、統計上の区分は細かく分かれています。

  • 「施工管理」は本記事では建築施工管理技術者(約679万円)の値を採用しています。土木施工管理技術者は別区分で約625万円です。
  • 「塗装工」の統計職種名は建築塗装工で、自動車の板金塗装などは別の区分になります。
  • 「電気工事士」も job tag の職種区分での集計で、同じ職名でも区分の取り方によって対象範囲が変わります。
  • 「クレーンオペレーター」はクレーン運転士、「重機オペレーター」は建設機械オペレーターの区分で、扱う免許(移動式クレーン運転士か、車両系建設機械か)によって実際の仕事も平均値も分かれます。
  • 「鳶」は統計上「とび」の区分で、足場・鉄骨・重量など複数の作業を含みます。賃金構造基本統計調査の区分は粗く、近い作業の職種(型枠大工など)と同じ集計値として表れている点には留意が必要です。

つまり「○○の年収」とひとくくりにできず、どの区分の数字を見ているかで水準が変わります。表の順位は、こうした前提の違いを承知のうえで「おおまかな並び」として受け取ってください。

職種ごとの中身を見る

平均額の順位以上に、就職・転職を決めるときに効いてくるのは「その職種が自分に合うか」「年代・資格でどう伸びるか」です。ここでは各職種の特徴を一行ずつ整理し、詳しい年収の内訳はそれぞれの記事へつなぎます。

施工管理(最も高い水準)

10職種のなかで平均が頭一つ抜けています。現場を回す管理側の職種で、施工管理技士の資格と経験が評価につながりやすい一方、書類・調整・工程管理など職人とは別種の負荷があります。詳しくは施工管理の年収はいくら?で、年代別・資格別の伸び方まで整理しています。

電気工事士・クレーンオペレーター(資格・免許系で600万前後)

平均が600万円前後で、施工管理に次ぐ水準です。電気工事士は資格が担当できる工事の範囲を広げ、年収の幅に効きます。クレーンオペレーターは移動式クレーン運転士などの免許で揚重作業を担い、熟練と免許の積み上げが評価されます。それぞれ電気工事士の年収クレーンオペレーターの年収で詳しく見られます。

配管工・重機オペレーター(設備・機械系で500万前後)

平均が500万円前後で、いずれも資格・免許が年収の幅に効く職種です。配管工は配管技能士など、重機オペレーターは車両系建設機械の免許で掘削・運搬を担います。それぞれ配管工の年収重機オペレーターの年収で詳しく見られます。

大工・塗装工・左官・溶接工・鳶(職人系で近接)

職人系の5職種はおおむね415万〜500万円に近接しており、平均額だけで優劣をつけるのは難しい範囲です。独立のしやすさ・需要(有効求人倍率)・体への負担などは職種で差があります。なかでも鳶は本表では平均が最も低い一方、有効求人倍率が突出して高く(人手不足が特に強い)、求人の出やすさという点では別の評価軸を持ちます。各記事で内訳を確認できます。

複数の職人が連携して作業する建設現場の全景。足場・資材・重機が見え、いくつかの職種が同じ現場で動いている様子(顔なし)
一つの現場には複数の職種が関わる。平均年収の順位より、自分の適性・資格・働き方との相性で選ぶほうが現実的だ。

平均より「自分の条件」で変わる

ここまで職種間の比較を見てきましたが、各職種の年収記事で見るように、同じ職種の中でも年代・規模・地域による幅が大きく、その幅が職種間の平均差(約414.5万〜679万円)を上回ることも少なくありません。

どの職種でも、年収を左右する主な要素は共通しています。

  • 年代・経験年数:各職種の年収記事で示した求人・各種調査をもとにした目安では、多くの職種で20代から40代にかけて上がり、その後は横ばい〜緩やかに推移する傾向がみられます。
  • 資格:施工管理技士・各種技能士などの資格は、担当できる工事や責任範囲を広げ、求人の幅と交渉力に効きます。
  • 雇用形態:正社員か独立(一人親方)かで収入の構造が変わります。独立は上振れもある一方、社会保険や受注の変動を自分で抱えます。
  • 企業規模・地域:一般に規模が大きい事業所ほど平均賃金が高い傾向があり、都市部と地方でも求人賃金に差があります。

つまり「どの職種を選ぶか」と同じくらい、「その職種のなかでどう経験・資格を積み、どこで働くか」が年収を決めます。職種選びの段階では、平均額のわずかな差より、続けられそうか・資格を取る道筋が描けるかを重視するほうが現実的です。

年収を上げる具体的な道筋は建設業で年収を上げる方法で、未経験から始めやすく稼げる職種の選び方は未経験・学歴不問で稼げる建設職種で、それぞれ別途整理しています。

まとめ

  • 建設業の主要10職種の平均年収は、施工管理(約679万円)が最も高く、電気工事士(約628.1万円)・クレーンオペレーター(約586.7万円)と続き、配管工・塗装工・重機オペレーター・大工・左官・溶接工・鳶はおおむね415万〜523万円に分布する
  • この順位は「水準感の目安」であり、単純な優劣としては読めない。10職種とも令和7年賃金構造基本統計調査(job tag集計)で調査年は揃ったが、賃金構造基本統計調査は一人親方・自営を含みにくい母集団であること、職種定義が区分ごとに異なることは残る
  • 同じ職種の中でも、年代・資格・雇用形態・企業規模・地域による幅のほうが大きい。職種選びでは平均額の小さな差より、適性・続けやすさ・資格の道筋を重視するほうが現実的
  • 各職種の年代別・資格別の内訳は、それぞれの年収記事で確認できる

よくある質問

Q. 建設業で年収が高い職種はどれですか?
A. 本記事で比較した主要10職種では、施工管理(建築施工管理技術者)の平均が約679万円で最も高く、次いで電気工事士が約628.1万円、クレーンオペレーターが約586.7万円と続きます。一方で職人系の職種(大工・塗装工・左官・溶接工・鳶など)はおおむね415万〜500万円に分布します。順位はあくまで目安で、職種によって母集団や職種定義が異なるため、単純な優劣としては読めない点に注意が必要です。

Q. この年収ランキングは単純に比較してよいですか?
A. 単純比較はおすすめしません。本記事の数値は10職種とも厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)が令和7年賃金構造基本統計調査をもとに集計した値で調査年は揃えていますが、対象となる労働者の範囲(原則として一定規模以上の事業所に雇用される労働者で、一人親方・自営は含まれにくい)や、職種の定義が職種ごとに異なります。順位は水準感をつかむ目安として使い、最終的には年代・資格・雇用形態・地域による幅のほうが大きいことを前提にご覧ください。

Q. 一人親方や独立した職人の年収はこの数字に含まれますか?
A. 含まれにくいと考えられます。賃金構造基本統計調査は原則として事業所に雇用される労働者を対象とするため、一人親方や独立した自営の職人の収入は十分に反映されない場合があります。独立後は受注量・単価しだいで雇用時より高くなることも、経費や受注の波で下回ることもあり、幅が大きい働き方です。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」(令和7年賃金構造基本統計調査をもとに集計・2026年3月公表/施工管理・電気工事士・クレーンオペレーター・配管工・塗装工・重機オペレーター・大工・左官・溶接工・鳶の10職種)、国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」(給与所得者全体平均約478万円)。本文で触れた有効求人倍率は厚生労働省「職業安定業務統計」(job tag掲載値)。各職種の平均値は対象となる労働者・事業所の範囲や職種定義が異なるため、順位は水準の目安であり単純比較はできません。数値は調査年により変動します。最新の値は各公式統計をご確認ください。