「施工管理の年収って実際どうなんだろう」——きつい・残業が多いという声は多いのに、年収はいくらなのか、正確な数字が見えにくいと感じる人は少なくありません。この記事では、感覚や求人サイトのバラついた数字ではなく、厚生労働省の公的統計をもとに、施工管理の平均年収・年代別の傾向・資格や企業規模による差を整理します。施工管理は給与所得者全体の平均を上回る水準とされており、「なぜ高い傾向にあるのか」「どう動かせるのか」の構造が見えると、今後のキャリアの判断材料になります。読み終えると、自分がいまどの位置にいて、どこを動かせば年収が変わるのかが整理できます。
施工管理の平均年収はいくらか
厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)が令和7年賃金構造基本統計調査をもとに集計したデータによると、職種別の平均年収は次の通りです。
- 建築施工管理技術者:約679万円(平均年齢43.4歳)
- 土木施工管理技術者:約625万円(平均年齢46歳)
給与所得者全体の平均は約478万円(国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」)であり、施工管理は全体平均を大きく上回る水準に位置します。
なお、同じ賃金構造基本統計調査でも「産業別(建設業全体)」と「職種別(建築・土木施工管理技術者)」では母集団が異なるため、集計値が違って見えます。ここで示す679万円・625万円は職種別の集計値であり、建設業全体の産業別平均とは別の数値です。記事を横断して見るときは「どの区分の集計か」を確認してください。
ただし、この数値は全年代・全規模の平均です。20代と50代、中小企業と大手ゼネコンでは大きく異なります。次から、その「動き方」を分解していきます。
年代でどう変わるか
公的統計では施工管理職の年代別の数値を職種区分ごとに確認できますが、グラフデータの形式で公表されており、各年代の精密な数値は統計原表での一次確認が必要です。求人・実務上の一般的な目安として、次のような傾向が知られています。
| 年代 | 求人・実務上の年収目安 |
|---|---|
| 20代前半 | 約350万〜420万円 |
| 20代後半 | 約450万〜530万円 |
| 30代前半 | 約500万〜590万円 |
| 30代後半 | 約570万〜650万円 |
| 40代前半 | 約620万〜700万円 |
| 40代後半〜50代前半 | 約650万〜750万円以上 |
この目安は求人情報や業界の一般的な傾向であり、会社規模・業種・資格・地域によって上下します。経験年数とともに上がりやすい職種ですが、資格や役割の更新が止まると伸びが止まりやすい点には注意が必要です。
施工管理が「きつい職種」であることの一方で年収水準が高めになる背景については、施工管理はやめとけと言われる理由と現実で整理しています。
資格・企業規模・地域で差がつく
年代以外にも、年収を左右する要素があります。
資格による違い
公的統計では施工管理技士の資格種別ごとの年収区分がないため、統計上の厳密な差は確認できません。求人・実務上の目安として次の傾向が知られています。
- 2級施工管理技士のみの段階:小規模工事の主任技術者として対応可。おおむね350万〜500万円台が多い(求人上の目安)
- 1級施工管理技士取得後:大規模工事の主任技術者・監理技術者として対応でき、評価されやすくなる。600万〜800万円台の求人も増える(求人上の目安)
1級が評価されやすいのは、発注者や元請けが求める資格要件(監理技術者の設置義務など)があるためです。資格が直接年収に連動するというよりも、「担当できる仕事の範囲」が広がることで交渉力や求人の幅が変わります。
企業規模による違い
令和7年賃金構造基本統計調査では、企業規模が大きいほど平均賃金が高い傾向が確認されており、建設業も例外ではありません。施工管理職でも同様で、スーパーゼネコン・準大手ゼネコンは中小企業と比べて給与水準が高い傾向にあります。一方で、大手は競争が激しく採用のハードルも高いため、経験・資格・実績が求められます。
地域・業種による違い
建設業は全国に仕事がある職種ですが、都市部(特に東京・大阪など大規模プロジェクトが集中するエリア)と地方では、求人賃金に差があります。また、建築(住宅・商業施設・ビル)・土木(道路・橋梁・インフラ)・電気・管工事など業種でも年収帯が変わります。
つまり「施工管理の年収」とひとくくりにできず、どの資格で・どの規模の会社で・どの業種で・どの地域で働くかの組み合わせで大きく変わります。
年収を上げる現実的な選択肢
平均や相場が分かったうえで、実際にどう上げるかを整理します。
上位資格を取る
1級建築施工管理技士・1級土木施工管理技士の取得は、担当できる工事規模の上限を広げ、転職・昇格の両面で評価されやすくなります。資格手当を設けている会社もあり、取得が給与に結びつきやすいルートの一つです。
役職を上げる
現場代理人・工事主任・所長・部長へとステップアップすることで、給与レンジが上がりやすくなります。役職昇格は社内評価に左右されるため、成果の見える化・コミュニケーション力・後輩育成なども評価につながる要素です。
待遇の良い会社へ移る
同じ仕事内容・資格・経験でも、会社によって給与・賞与・残業代・休日が大きく違います。資格と現場経験は転職市場で評価されやすいため、転職によって条件が改善する場合があります。ただし転職で必ず年収が上がるわけではなく、希望条件に合う求人があるか・企業の状況・交渉力によって変わります。転職で改善する場合がある一方で、条件が変わらない、あるいは下がることも珍しくありません。
施工管理の将来性や需要の背景については、施工管理の将来性はあるかで詳しく整理しています。
まとめ
- 施工管理(建築)の平均年収は約679万円(厚労省job tag・令和7年賃金構造基本統計調査ベース)で、給与所得者全体平均を大きく上回る
- 土木施工管理技術者は平均約625万円(同調査ベース)。どちらも「安い職業」とは言い切れない水準
- 年代・資格・企業規模・地域・業種で差が大きい。年代別・資格別の具体的な金額は求人・実務上の目安であり、公的統計の確定値ではない
- 年収を上げる現実的な道は、1級資格の取得・役職昇格・待遇の良い会社への転職。転職が必ず功を奏するわけではなく、希望条件と求人の状況次第という点は押さえておきたい
よくある質問
Q. 施工管理の平均年収はいくらですか?
A. 厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)が令和7年賃金構造基本統計調査をもとに集計したデータでは、建築施工管理技術者の平均年収は約679万円、土木施工管理技術者は約625万円です。給与所得者全体の平均(国税庁の令和6年分民間給与実態統計調査で約478万円)を大きく上回ります。ただし年代・資格・経験・企業規模・地域で幅が大きく、平均値だけで判断はできません。
Q. 施工管理の年収は年齢とともに上がりますか?
A. 求人・実務上の傾向として、20代前半ではおおむね350万〜420万円、20代後半で450万〜530万円、30代前半で500万〜590万円、30代後半で570万〜650万円、40代前半で620万〜700万円、40代後半から50代前半で650万〜750万円以上に達することが多く、経験年数とともに上がりやすい職種とされます。ただし資格の取得・役割の変化が伴わないと伸びが止まりやすい傾向もあります。実際の数値は会社規模や業種・地域で大きく異なります。なお、これらは求人・実務上の目安であり、公的統計による確定値ではありません。
Q. 施工管理が年収を上げるにはどうすればいいですか?
A. 主な道は、1級建築施工管理技士・1級土木施工管理技士などの上位資格の取得、現場代理人や所長などの役職への昇格、待遇の良い会社への転職です。資格と現場経験は転職市場で評価されやすいため、同じ仕事内容でも会社を変えることで給与・休日・残業が改善する場合があります。ただし転職で必ず年収が上がるわけではなく、希望条件や求人の状況によって変わります。
Q. 1級施工管理技士と2級では年収にどれくらい差がありますか?
A. 公的統計では資格種別ごとの年収区分がないため、厳密な差は統計上確認できません。求人・実務上の目安として、1級は主任技術者・監理技術者として大規模工事に対応でき、2級より評価されやすい傾向があります。具体的な金額差は企業・業種・地域によって異なります。
出典:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」(令和7年賃金構造基本統計調査をもとに集計・2026年3月公表)、国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」。年代別・資格別・企業規模別・地域別の年収は求人・実務上の目安であり、統計上の確定値ではありません。数値は調査年により変動します。最新の値は各公式統計をご確認ください。
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