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大工の年収はいくら?|公的統計で見る平均・年代別・雇用形態別・上げ方のリアル

最終更新:2026年6月7日
大工の年収はいくら?|公的統計で見る平均・年代別・雇用形態別・上げ方のリアルのイメージ

「大工の年収って、実際どれくらいなのか」——求人サイトでは数字がバラバラで、稼げるという声も厳しいという声もある。この記事では感覚や口コミではなく、厚生労働省の公的統計をもとに、大工の平均年収・年代別・経験年数別の傾向を整理します。大工は常用(雇われ)・出来高・一人親方と雇用形態が多様で、統計の「平均年収」と現場の実態がズレやすい職種です。このズレを含めて、雇用形態別・専門別の実態まで分解しています。読み終えると、自分がいまどの位置にいて、どこを変えれば年収が動きうるかが整理できます。

大工の平均年収は約485.5万円——統計の読み方に注意

厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)が令和7年賃金構造基本統計調査をもとに集計したデータでは、大工の平均年収は約485.5万円、平均年齢は約50.2歳です。

給与所得者全体の平均(国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」約478万円)をやや上回る水準です。ただし月給・賞与の個別内訳は統計原表(e-Stat)での一次確認が必要なため、本記事では年収の確定値のみを示します。

ただし、この485.5万円には重要な前提があります。賃金構造基本統計調査は雇用労働者(常用)が対象であり、一人親方(個人事業主)として働く大工は含まれていません。job tagが職業情報として掲載している就業形態別データ(賃金構造基本統計調査とは別の集計項目)では、大工の就業形態のうち自営・フリーランスが約64.6%を占めており、統計に映りにくい就業形態が多数派の職種です。485.5万円を「大工全体の平均」として読むのは正確ではありません。

また、施工管理や電気工事士と比べると「統計上は同水準」に位置しますが、棟梁や腕のある一人親方では600万〜1,000万円台に達する人もいます(求人・業界の目安)。上下の幅が特に大きい職種です。

年代でどう変わるか

job tagの令和7年賃金構造基本統計調査データでは、大工の平均年齢が約50.2歳です(年齢階級別の構成は確認できないため、50代が多数派かどうかは統計上は断言できません)。年代別の個別数値は令和7年のグラフ形式データからテキスト抽出が困難なため、令和6年賃金構造基本統計調査をもとにした参考値を示します(令和7年の年代別確定値はe-Stat統計原表で一次確認が必要です)。

全体平均 485.5万円 約372万 20代 約475万 30代 約534万 40代 約549万 50代
年代別の年収は20代から50代まで伸びる傾向。点線(全体平均 約485.5万円)は令和7年賃金構造基本統計調査・job tag確定値。棒グラフの数値は令和6年調査をもとにした参考値(目安)であり、令和7年の年代別確定値ではない。一人親方・出来高大工は含まない。
年代参考値(令和6年調査ベース・目安)
20代約372万円
30代約475万円
40代約534万円
50代約549万円

経験年数別では、令和6年調査をもとにした参考値として、経験1〜4年で約300万円、5〜9年で約367万円、10〜14年で約400万円、15年以上で約398万円という分布が見られます(令和7年の経験年数別確定値は統計原表で一次確認が必要です)。15年以上で横ばいになっている可能性はありますが、会社・雇用形態・個人の役割によって差が大きく、この参考値だけで「天井感がある」と一般化はできません。

なお、これらはすべて雇用労働者の統計値です。一人親方・出来高・手間請けで動く大工の実態は、次の章で整理します。

雇用形態で大きく変わる——大工の年収の「実態」

大工の年収で最も注意が必要なのは、雇用形態による違いです。施工管理や電気工事士と違い、大工は常用・出来高・一人親方・応援が混在しており、同じ「大工」でも収入の構造がまったく異なります。

※目安値(統計確定値でない) 0万 375万 750万 1,000万 常用 (日給月給) 300〜500万台 出来高・ 手間請け 350〜700万台 一人親方 (独立・平均) 約479万円 棟梁・ 腕のある独立 600〜1,000万台
雇用形態別の年収目安。常用・出来高は求人・業界の目安(統計確定値でない)。一人親方の約479万円は全建総連東京都連合会「2023年賃金調査報告書」の日給平均約21,223円をもとに月18.8日×12か月で算出した参考値。社会保険・経費の自己負担分は含まれず、手取りはさらに減る。棟梁・腕のある独立の上限域(600〜1,000万台)は求人・業界の目安。

常用(雇われ・日給月給)

会社に雇われ日給または月給で働く形態。job tagの統計ベースはここに該当します。

  • 日当の目安:未経験〜見習いで約1万2,000〜1万5,000円、中堅(3〜10年)で約1万5,000〜2万円、ベテランで2万〜2万5,000円(いずれも求人・業界の目安であり公的統計の確定値ではない)
  • 年収目安:年間約230〜250日稼働として、300万〜500万円台(同上)
  • 健康保険・厚生年金は労使折半で本人も保険料を負担する。雇用保険は労使双方が負担し(料率は事業主が高い)、労災は全額事業主負担で、これらの適用がある点は一人親方との比較での安定性として評価できる

一方で日当が低い会社では、年間の稼働日数を増やしても年収が大きく伸びにくい構造になりやすいです。

出来高・手間請け(個人請負)

工務店や元請けから仕事を受け、出来高・手間賃で受け取る形態。常用より日当は高くなりやすいですが、仕事量は市況・人脈・季節に左右されます。

  • 日当の目安:一人前(5年以上)で2万〜2万5,000円、ベテランで2万5,000〜3万5,000円(いずれも求人・業界の目安であり公的統計の確定値ではない)
  • 年収目安:稼働日数と単価によって350万〜700万円台と幅が大きい(同上)
  • 健康保険・年金は国民健康保険・国民年金を全額自己負担。道具費・交通費・経費も自己負担となり、手取りは売上(年収)から経費・保険料を引いた額になる

「日当3万で年間220日稼働」で660万円の売上になる計算ですが、そこから社会保険料・道具代・交通費・工具消耗品を差し引くと、手取りが売上の6〜7割台になることがある、という試算例があります。条件(保険料額・経費水準)によって変わるため、この割合を一律に適用することはできません。年収(売上)と手取りを混同しないよう注意が必要です。

一人親方(独立)

全建総連東京都連合会「2023年賃金調査報告書」によると、独立した一人親方大工の日給は平均約21,223円です。月稼働18.8日×12か月で計算すると年収換算は約479万円になります。

常用大工の統計ベース(令和7年・約485.5万円)と近い水準ですが、ここから健康保険・年金(全額自己負担)・道具費・経費を差し引くため、手取りは大きく減ります。一人親方の年収470〜520万円台を前提にした試算例(推計・個別条件による)では、手取りが370〜390万円台になるケースが紹介されています(マネーフォワード クラウド調べ・推計値)。ただし経費水準・家族構成・青色申告の有無によって変わるため、試算値を一般化することはできません。

一人親方で腕と人脈があれば年収600万〜1,000万円台に達する人もいますが(求人・業界の目安)、仕事が切れた際の収入ゼロリスク・雇用保険の適用がないことも現実です。独立は受注次第で高い収入を得られる場合がある反面、リスクも自己負担です。

雇用形態別・統計の含まれ方と社会保険の違い

雇用形態年収の目安(業界)統計への含まれ方社会保険
常用(日給月給)300万〜500万円台含まれる(統計ベース)健保・厚年は労使折半。雇用保険は労使負担・労災は全額事業主
出来高・手間請け350万〜700万円台個人事業主は含まれない国保・国民年金を全額自己負担
一人親方(独立)400万〜1,000万円台(幅大)含まれない国保・国民年金を全額自己負担

この構造のため、「大工の年収は低い」という感覚と「稼いでいる大工もいる」という両方の声が同時に正しいことがあります。比べるときは雇用形態と統計の母集団を確認するのが肝心です。

専門別・宮大工の年収はどうか

一般的な木造住宅大工以外にも、専門性によって収入帯が変わります。

宮大工

神社・仏閣などの伝統建築を手がける宮大工は、技術習得に長い期間を要します。見習い・修行段階では年収300万〜400万円程度とされることが多く、一人前として認められるまでに10年前後かかることもあると言われています(いずれも求人・業界の目安であり、公的統計の確定値ではありません)。腕が立つ職人になると年収600万円前後、著名な工房の棟梁クラスではそれ以上に達することもあると言われています(同・目安)。

公的統計で宮大工に特化した区分はなく、統計上の確認はできません。希少性が高い一方で、求人数・工房数ともに限られており、入職の難易度は高い分野です。

型枠大工

コンクリート構造物の型枠を組み立てる型枠大工は、job tagが令和7年賃金構造基本統計調査をもとに集計したデータで平均年収約414.5万円とされています。有効求人倍率が10.86(令和6年度ハローワーク求人統計)と高く、人手が足りていない分野ですが、重労働・天候リスク・仮設物の解体作業など体力面の負荷も大きい職種です。

建築大工(住宅・リフォーム)

戸建て住宅・リノベーション専門の大工は、人工(にんく)単価と工期で収入が決まりやすく、受注量・スキルによって差が出ます。腕のある大工はリフォーム需要の増加で仕事が安定しやすい側面もあります。

地域別・企業規模別の差

地域

都市部(特に東京・大阪・名古屋周辺)は住宅・大規模リフォーム案件が集中するため、求人の日当水準が高い傾向があります。地方では単価が下がりやすいですが、地元工務店との長期取引で安定している大工も多く、単純に都市部が有利とは言い切れません。

企業規模

令和7年賃金構造基本統計調査では、企業規模が大きいほど賃金水準が高い傾向が確認されています。大手ハウスメーカー専属や大手リフォーム会社の社員大工は、中小工務店と比べると給与・福利厚生・残業代の整備が進んでいる傾向があります。一方で採用基準も高くなりやすいです。

現場の声——ポジ・ネガ両論

Yahoo!知恵袋に投稿された事例では、関西在住・33歳・大工歴10年(同じ会社に10年勤続)の大工が「日当1万2,000円(半日6,000円)、ボーナスなし、社会保険なし、工具費も自己負担」と書き込み、結婚前に収入不安を吐露していました。同業他社や独立への道を模索していることが読み取れる内容です(Yahoo!知恵袋 質問ID:q11262566266)。

一方で同スレッドのベストアンサー回答者からは「独立目指して下さい。一人親方としてハウスメーカーの請負が良い。請負なら日当計算で4万くらい稼ぐ人もいる」という声が寄せられています。これは一個人の事例であり、すべての大工に当てはまるわけではありませんが、「会社・働き方によって収入が大きく変わりうる職種」という構造の一端が読み取れます。

腕と人脈が整えば稼ぎやすくなる一方で、そこに至るまでの見習い期間の低収入は一般的に存在します。ポジ・ネガ両面を踏まえたうえで判断することが必要です。

年収を上げる現実的な選択肢

大工として年収を上げる主な道は次の3つです。

資格を取得する

建築大工技能士(1〜3級)は技術の証明として評価される資格で、取得で手当が出る会社もあります。さらに一歩上として、2級・1級建築施工管理技士を取得すると、施工管理・現場監督へのキャリアシフトが可能になり、給与レンジが変わりやすいです。

施工管理の年収の水準については、施工管理の年収はいくら?で整理しています。

雇用形態・働き方を変える

常用(固定日当)で天井を感じているなら、出来高・手間請けや一人親方へのシフトが収入アップの手段になりえます。ただし前述のとおり、社会保険・道具費・経費が自己負担になるため、「売上が増える=手取りが増える」とはならない点に注意が必要です。十分な人脈・案件が確保できる見通しがあることが独立の前提になります。

待遇の良い会社・現場へ転職する

同じスキルでも、会社・元請けによって日当・賞与・社会保険の有無・残業代の計算方法が大きく異なります。資格と経験がある大工は転職市場で評価されやすく、会社を変えることで条件が改善する場合があります。ただし転職で必ず年収が上がるわけではなく、希望条件に合う求人があるかや交渉力・タイミングによって変わります。

建設・職人向けの転職を検討する際の選択肢の整理については、建設・職人の転職エージェント比較でまとめています。

大工の作業台に並んだノミ・カンナ・スコヤなどの手道具。朝の現場に差し込む光(手元のみ・顔なし)
年収の伸びは腕と働き方の両方で決まる。道具を磨くのと並行して、雇用形態・会社の選択も重要な変数になる。

電気工事士など他の建設職種との年収の比較は、電気工事士の年収はいくら?も参考にしてください。

まとめ

  • 大工の統計ベース平均年収は約485.5万円(令和7年賃金構造基本統計調査・job tagベース・平均年齢約50.2歳・雇用労働者のみ)。給与所得者全体平均をやや上回るが、就業者の約64.6%が自営・フリーランスであり統計に映りにくい就業形態が多い
  • 年代では20代(約372万円)から50代(約549万円)まで上昇する傾向(令和6年調査ベースの参考値・目安)。経験10〜14年で伸びが鈍化しやすい
  • 雇用形態で差が大きい。常用(日給月給)は300万〜500万円台、一人親方の年収換算は約479万円(全建総連東京都連合会「2023年賃金調査報告書」の日給平均×月18.8日×12か月で算出)だが手取りはさらに減る。独立は受注次第で収入が上がる場合がある反面リスクも増える
  • 年収を上げる現実的な道は、資格取得(建築大工技能士・施工管理技士)・雇用形態の変更・待遇の良い会社への転職。転職が必ず功を奏するわけではなく、条件と求人次第という点は押さえておきたい

よくある質問

Q. 大工の平均年収はいくらですか?
A. 厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)が令和7年賃金構造基本統計調査をもとに集計したデータでは、大工の平均年収は約485.5万円、平均年齢は約50.2歳です。給与所得者全体の平均(国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」で約478万円)をやや上回ります。ただしこの数値は雇用労働者ベースのため、一人親方や出来高制の大工は含まれません。年代・雇用形態・地域で幅が大きく、平均値だけで判断はできません。

Q. 大工の年収は年齢とともに上がりますか?
A. job tagの令和7年データでは大工の平均年齢が約50.2歳です。令和6年調査をもとにした年代別参考値では、20代で約372万円、30代で約475万円、40代で約534万円、50代で約549万円と、この記事が掲載している年代範囲では50代が最も高い値になっています(令和7年の年代別確定値は統計原表での一次確認が必要です)。経験年数別では15年以上で横ばいになっているケースもありますが、会社・雇用形態によって異なります。

Q. 一人親方の大工と常用(雇われ)大工では年収にどれくらい差がありますか?
A. 全建総連東京都連合会の「2023年賃金調査報告書」によると、独立した一人親方大工の日給は平均約21,223円です。月稼働18.8日×12か月で計算すると年収換算は約479万円になります。令和7年賃金構造基本統計調査の常用大工平均(約485.5万円)と近い水準ですが、一人親方は健康保険・年金・道具・経費を全額自己負担するため手取りはその分少なくなります。単純比較には注意が必要です。

Q. 大工の年収を上げるにはどうすればいいですか?
A. 主な選択肢は、建築大工技能士・施工管理技士などの資格取得による評価アップ、腕を磨いて出来高制・一人親方へのシフト、より待遇の良い工務店・ハウスメーカーへの転職です。転職で必ず年収が上がるわけではなく、希望条件に合う求人があるかや交渉力によって変わります。独立は受注次第で高い収入を得られる場合がある一方、仕事確保・経理・社会保険の自己負担など負担も大きくなります。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」(大工の平均年収約485.5万円・平均年齢約50.2歳は令和7年賃金構造基本統計調査をもとに集計。就業形態別データ〔自営・フリーランス約64.6%〕はjob tagの職業情報欄に掲載されている別集計項目であり、賃金構造基本統計調査とは母集団・調査方法が異なります)、国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査」、全建総連東京都連合会「2023年賃金調査報告書」(一人親方日給約21,223円の出典。年収換算約479万円は日給×月18.8日×12か月で算出した参考値)。年代別・経験年数別の数値は令和6年賃金構造基本統計調査をもとにしたjob tag集計値の参考値(目安)であり、令和7年の年代別・経験年数別確定値はe-Stat統計原表での一次確認が必要です。型枠大工の平均年収約414.5万円は令和7年賃金構造基本統計調査・job tag集計値。雇用形態別・宮大工・棟梁の年収帯は求人・業界の目安です。数値は調査年により変動します。最新の値は各公式統計をご確認ください。

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