業界ガイド

未経験・学歴不問で稼げる建設職種|始めやすさと収入で選ぶ

最終更新:2026年6月8日
未経験・学歴不問で稼げる建設職種|始めやすさと収入で選ぶのイメージ

「学歴に自信はないけれど、現場の仕事でちゃんと稼げる職種に就きたい」——そう考えて建設業を調べ始めると、「未経験歓迎」「学歴不問」「高収入」という求人広告が次々に目に入ります。ただ、その言葉をそのまま受け取ってよいかは別の話です。建設の多くの職種は確かに未経験・学歴不問で入れますが、入ってすぐ高収入になるわけではなく、経験と資格を積んで初めて年収が伸びる構造です。この記事では、公的統計をもとに「参入のしやすさ」と「収入の伸びしろ」の両面から職種を中立に比較し、最初の一歩の選び方を整理します。誇張された求人広告と距離を置いて、自分に合う入口を選ぶための材料にしてください。

「未経験OK」と「すぐ高収入」は別の話

最初に、いちばん誤解されやすい点をはっきりさせておきます。

建設業の多くの職種は、学歴を問わず未経験から入職できます。人手不足が続いており、未経験者を育てる前提で採用する会社も少なくありません。

一方で、「未経験歓迎」であることと「すぐ高収入」であることは、まったく別のことです。入職時の給与は、一般に他業種の未経験と大きくは変わらないとされ、年収が伸びるのは技能・資格・担当範囲が広がってからです。求人広告の「高収入」は、多くの場合、経験を積んだ後の水準や残業・手当を含んだ例であって、入職直後に誰でも届く金額ではありません。

つまり、未経験から建設業を選ぶときに見るべきは「入職時の額」ではなく、続けたときにどれだけ伸びるかです。次から、その伸びしろの観点で職種を見ていきます。

始めやすさと伸びしろで見る職種

未経験・学歴不問で入りやすく、かつ経験を積めば年収が伸びていく傾向がある職種を、公的統計の平均年収(経験を積んだ後の水準を含む全年代平均)とあわせて整理します。なお、これらは横並びのランキングとしてではなく、各職種の水準感の目安として見てください。いずれも令和7年賃金構造基本統計調査(厚労省 job tag 集計)ベースで調査年は揃っていますが、後述のとおり職種によって母集団や職種定義が異なります。

700万円 電気工事士 628万 配管工 523万 塗装工 498万 大工 486万 左官 467万 溶接工 455万 ※経験を積んだ後を含む全年代平均(入職時の額ではない)。いずれも令和7年賃金構造基本統計調査ベース(厚労省 job tag 集計)。
未経験から入りやすい職種の平均年収(経験後を含む全年代平均)。これは入職時の額ではなく、経験・資格を積んだ後を含む平均。伸びしろの目安として見てほしい。

これらはいずれも全年代の平均で、入職してすぐの金額ではありません。経験・資格を積んだ後を含む平均です。職種間の平均差はそれほど大きくなく、また職種ごとに母集団や職種定義が異なるため単純比較はできません(詳しくは建設業の職種別 年収ランキングで整理しています)。

そのうえで、未経験から選ぶときに効いてくるのは「資格でステップアップの道筋を描けるか」です。

資格で伸びしろが描ける職種

未経験から年収を伸ばしやすいのは、学歴を問わない資格でステップアップの道筋が見える職種です。代表例を挙げます。

電気工事士

第二種電気工事士は、受験に学歴・実務経験の要件がなく、未経験から挑戦できる国家資格です。取得すると一般住宅などの電気工事を担当でき、さらに第一種へとステップアップできます。資格が担当範囲に直結するため、未経験から始めても道筋を描きやすい職種です。詳しくは電気工事士の年収で見られます。

配管工

給排水・衛生・ガスなどの設備を扱う職種で、配管技能士や管工事施工管理技士へと資格を積み上げられます。設備は建物に欠かせないため、需要は比較的安定しやすいとされる点も特徴です。配管工の年収で内訳を確認できます。

施工管理(経験を積んでから)

入職直後ではなく、現場経験を積んだうえで施工管理技士を取得して管理側へ進む道です。職人系より高い年収区分(建築施工管理技術者の平均約679万円)に位置するため、「未経験で入って、数年後に管理側を目指す」という長期の伸びしろを描きやすい選択肢です。ただし管理側への移行には適性や求人の状況もあり、誰もが同じように到達できるわけではありません。未経験から施工管理を目指す道は施工管理は未経験から目指せるかで詳しく整理しています。

大工・塗装工・左官・溶接工

いずれも未経験・学歴不問で入りやすく、技能士などの資格で評価が変わります。独立しやすい職種もあり、技術と人脈が育てば独立という伸ばし方もあります。各記事(大工塗装工左官溶接工)で内訳を見られます。

収入だけで選ばない

平均年収が近い以上、未経験者が職種を選ぶときは「金額の小さな差」より「続けられそうか」を重視するほうが現実的です。次の観点も合わせて見てください。

朝の建設現場に向かう作業着姿の人の後ろ姿。これから仕事を始める、入口に立つ未経験者を象徴する(顔なし)
収入の伸びしろと同じくらい、屋外作業や体力負荷に自分が向くか、続けられそうかを見て選びたい。
  • 体力負荷:職種によって体への負担の種類が違います。重量物の扱いが多い職種、細かい手作業が中心の職種など、自分の体質に合うかを見ておきたいところです。
  • 屋外/屋内の比率:高所・屋外作業が多い職種は天候や季節の影響を受けます。
  • 資格の取りやすさ:第二種電気工事士のように要件が緩い資格から入れる職種は、最初の一歩を踏み出しやすい傾向があります。
  • 独立のしやすさ:将来の選択肢として独立を考えるなら、独立する人が比較的多い職種かどうかも参考になります。

「稼げるか」だけでなく「自分が続けられるか」をあわせて見ることで、入職後に早期離職してしまうリスクを下げられます。

最初の一歩をどう踏み出すか

未経験から建設業に入る方法は、いくつかあります。

  • ハローワーク(無料・公共職業安定所)で未経験歓迎の求人を探す
  • 企業へ直接応募する(地域の工務店・設備会社など)
  • 建設業の求人専門サイトで職種から探す
  • 建設特化の転職エージェントに相談しながら、自分に合う職種・会社を比較する

それぞれ費用や得意分野が異なるため、組み合わせて使うのが現実的です。とくに「どの職種が自分に合うか分からない」段階では、職種や仕事内容を相談しながら求人を比較できる方法が向いています。下のカードでは、建設特化のエージェントを中立に比較しています。エージェントは万能ではなく、希望に合う求人がない場合や、未経験者向けの求人が限られる場合もあるため、ほかの方法と併用しながら使うのがよいでしょう。

まとめ

  • 建設業の多くの職種は未経験・学歴不問で入れるが、「未経験OK」と「すぐ高収入」は別。入職時の給与は他業種の未経験と大きく変わらず、年収は経験・資格を積んでから伸びる
  • 未経験から伸ばしやすいのは、学歴を問わない資格(第二種電気工事士など)でステップアップの道筋が描ける職種。電気工事士・配管工・施工管理(経験後)などが代表例
  • 職種間の平均年収の差は大きくなく、調査年・母集団も異なり単純比較はできない。収入の小さな差より「続けられそうか(体力負荷・屋外作業・資格の取りやすさ)」を重視するほうが現実的
  • 最初の一歩は、ハローワーク・直接応募・求人サイト・建設特化エージェントなどを組み合わせて。職種選びに迷う段階では相談しながら比較できる方法が向く

よくある質問

Q. 未経験・学歴不問で建設業に入れますか?
A. 多くの建設職種は、学歴を問わず未経験から入職できます。建設業は人手不足が続いており、未経験者を育てる前提で採用する会社も少なくありません。ただし「学歴不問・未経験歓迎」であることと「すぐ高収入」であることは別です。入職時の給与は他業種の未経験と大きく変わらないことが多く、技能や資格を積んで初めて年収が伸びていく構造である点は理解しておきたいところです。

Q. 未経験から始めて稼げるようになりますか?
A. 多くの職種で、経験年数とともに年収が上がっていく傾向があります。たとえば配管工・電気工事士・施工管理などは、資格取得や担当範囲の拡大によって平均年収500万円台〜600万円台の区分(後述の公的統計ベース・職種で調査年が異なる)に位置します。ただし、これは数年〜十数年かけて経験と資格を積んだ結果の平均であり、入職してすぐの水準ではありません。「将来的に伸びしろがある」という意味で稼げる職種、と捉えるのが正確です。

Q. 未経験ならどの建設職種から始めるのがよいですか?
A. 一概に「これが正解」とは言えませんが、選ぶときの観点は整理できます。資格でステップアップの道筋が描きやすい職種(電気工事士・配管工・施工管理など)は、未経験から始めても年収を伸ばしやすい傾向があります。一方で、体力負荷・屋外作業の比率・独立のしやすさなどは職種で差があるため、収入だけでなく続けられそうかも含めて選ぶのが現実的です。実際の求人や仕事内容は、建設特化の転職エージェントなどで相談しながら比較する方法もあります。

Q. 学歴がなくても資格は取れますか?
A. 多くの建設系資格は、学歴を必須としていません。たとえば第二種電気工事士は受験に学歴・実務経験の要件がなく、未経験から挑戦できます。技能士や施工管理技士は一定の実務経験が要件になるものが多いですが、現場で経験を積みながら取得をめざせます。学歴より「現場経験を積めるか」「資格取得まで続けられるか」のほうが、年収の伸びには効いてきます。

出典:厚生労働省「職業情報提供サイト(job tag)」(令和7年賃金構造基本統計調査をもとに集計・2026年3月公表/施工管理=建築施工管理技術者ほか)、厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」(電気工事士=電気工事従事者の区分)。第二種電気工事士の受験要件は一般財団法人電気技術者試験センターの公表情報に基づきます。平均年収は経験を積んだ後を含む全年代平均であり、入職時の水準ではありません。職種により調査年・母集団が異なるため単純比較はできません。数値は調査年により変動します。